
誰しも「部下や後輩から尊敬されたい」「良好な人間関係を築いて好かれたい」と思うのではないでしょうか。
では「尊敬できる上司」とは具体的にどのような人なのでしょうか。
今回は全国の働く男女500人にアンケートを実施し、「尊敬できる上司」と「尊敬できない上司」の特徴を聞きました。
- 調査対象:全国の働く男女
- 調査期間:2022年7月25日~26日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:500人(女性291人/男性209人)
- 回答者の年代:10代 0.2%/20代 26.0%/30代 38.0%/40代 22.2%/50代 11.4%/60代以上 2.2%
調査結果に関して、ライズ・スクウェア メディア編集部からのワンポイントアドバイスに加えて、株式会社Gentle 代表取締役の中村 成博氏からもご考察いただきました。
【監修者プロフィール】
中村成博(まさひろ)株式会社Gentle 代表取締役
日本マクドナルド勤務時代、楽しく働ける環境づくりを徹底し、都内で平均時給が一番低い店舗にも関わらず、一番離職率の低い店舗となり、その事例がマクドナルド全店に紹介される。コンサルティング会社では、この考え・手法をあらゆる業種・業態に講演・研修を通して広め、その実効性は評価が高い。
2015年10月に株式会社Gentleを設立。講演や研修、セミナー、コンサルティングを通して「悩みの解決や行動革新のキッカケ」を提供。
著書:『リーダーは在り方が9割』2021.04出版
中村氏の講演ダイジェスト:You Tube動画はこちら
職場に尊敬できる上司はいる?いない?
全国の働く男女500名に「職場に尊敬できる上司がいるか」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
「いない」が50.6%で、半数をやや上回りました
半分以上の人が、尊敬できる上司がいない職場で働いていることになりますね。
「頼りになる上司がいない」「お手本にしたいロールモデルがいない」という職場だと、働きにくく、仕事や出世へのモチベーションが維持できない可能性もあります。
一方で尊敬できる上司がいれば「上司みたいになりたい」「認められたい」という気持ちで、仕事を頑張れそうです。
また叱られたとしても、尊敬できる上司からの指摘であれば真摯に受け止め、反省できるでしょう。

今、どの業種・業態でも課題になっている人材不足や離職防止。この要因の1つにも『職場に尊敬できる上司がいない』という理由が入っています。
ランキングからもわかるように、いつの時代でも尊敬できる上司には『敬意』と『信頼』が必要ですね!
尊敬できる上司の特徴ランキング
次に、職場に尊敬できる上司がいると回答した265人に「尊敬できる上司の特徴」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「部下を気にかけている(67人)」です。
2位「仕事ができる(49人)」、3位「責任感があり部下を守れる(44人)」、4位「話を聞いてくれる(42人)」と続きます。
以降、5位「教育力・指導力がある(41人)」、6位「一貫性があり公平(34人)」、7位「決断力・判断力がある(26人)」、8位「仕事熱心で真面目(23人)」、9位「話がわかりやすい(22人)」、10位「感情的にならない(20人)」の結果となりました。
「部下を気にかける」「責任感がある」「真面目」など、人格・人間性についての回答が多くなっています。
「話を聞いてくれる」「話がわかりやすい」など、コミュニケーション能力の高い上司を尊敬している人が多いこともわかります。
また「仕事できるのはもちろんだが」と前置きする回答も目立ちました。
仕事面でのスキル・能力が高いことは前提条件であり、プラスして人格面でも「すごいな」と思える部分があると「尊敬」につながるようです。
例えば人柄は良くても仕事の能力が低いと「いい人だけど、なぜあの人が出世して管理職になったのだろう」と思ってしまい、尊敬にはつながりにくそうです。
反対に仕事はバリバリできて優秀でも、「周囲への気遣いがない」とか「問題が起きたときに責任逃れする」ような上司を尊敬するのは難しいでしょう。
では具体的な回答と、それぞれの特徴ごとに尊敬される上司になるためのワンポイントアドバイスを紹介していきます。
1位 部下を気にかけている
1位は265人中67人が回答した「部下を気にかけている」でした。
尊敬される上司は、忙しいときでも部下のことをよく見て、声をかけているとわかります。
仕事の進捗状況はもちろんのこと、「体調面」「育児・介護など家庭の事情」にも気を配ってくれる上司だと、部下はより安心して働けそうです。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 女性特有の体調不良を理解して「あまり無理をしないように」と声をかけてくれます(28歳 女性)
- 部下のことをしっかり気にかけて、困っていればタイミングよく声をかけられる(34歳 男性)
- 日頃自分の仕事に没頭しているにも関わらず、部下の人間関係や仕事上の悩みなどをきちんと把握されている点(56歳 女性)
部下を気にかける上司となるためには、部下を知ることからはじめましょう。
部下のことを把握しておかなければ、何を気にかけてやればいいのかがわからず、変化などにも気づけないため、声掛けやフォローができないからですね。
たとえば、部下一人ひとりの仕事への姿勢や得意・不得意分野、家族構成、体調面などが挙げられます。
頑張っているときには労いの声をかけ、困っているときはさりげなくフォローするのがおすすめです。
「いつも上司が見てくれている」という安心感は、部下のモチベーションアップにもつながるでしょう。
あまりにも声掛けやフォローをやりすぎると、「ウザい」「面倒くさい」と思われたり、部下の成長が見込めなくなってしまうので、干渉しすぎには注意してください。
2位 仕事ができる
2位は265人中49人が回答した「仕事ができる」です。
いくら人柄がよくても「仕事ができない」と思われると、上司として尊敬されにくくなります。
自信の職場・職位に求められるスキルや能力を身につけておくことは、尊敬される上司の条件といえるでしょう。
仕事に打ち込み成果を出すことで、上司として尊敬され頼られる機会が増えると考えられます。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- さまざまな資格を持っており、経験や知識が豊富(25歳 女性)
- 英語やITツールの使いこなしなど、ビジネススキルに長けている(28歳 男性)
- 問題解決能力と顧客獲得能力がすごい(45歳 女性)
仕事ができる上司になるためには、スキルや経験が重要ポイントです。
今回のアンケートの回答でも、上司の「経験」「知識」「ビジネススキル」に対して尊敬できると答えた人が多かったからですね。
また、円滑に仕事を回して仕事で結果を出すことはもちろん、周囲との信頼関係を築いていることも大切だと言えます。
仕事ができる上司には、困ったとき手助けしてくれる方が周りに多かったりします。
向上心をもって経験やスキルを積みながら、良好な人間関係を築いておくと、部下から尊敬される仕事のできる上司に一歩近づけるのではないでしょうか。
3位 責任感があり部下を守れる
3位は265人中44人が回答した「責任感があり部下を守れる」です。
「失敗してもカバーするから、思い切りやってみなさい」と言われると、部下もやる気が出て全力で仕事に向き合えるでしょう。
もちろんミスしたときには反省が必要ですし、上司に甘えるような姿勢は問題です。
上司としては「部下に任せて責任をとらせる部分」「上司がカバーする部分」の使い分けが必要ですね。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 新人のミスを責めることなく、裏でカバーしてくれるところ(27歳 女性)
- 理不尽な事柄から部下をかばってくれる(34歳 男性)
- 自身の仕事に責任を持つところ(50歳 男性)
部下にミスやトラブルなどが起こった際は、真っ先にフォローするようにしましょう。
なぜなら、部下が混乱や不安に陥っている場合、手助けを必要としているからですね。
ミスや失敗をしたからと怒ったりせず、状況を把握しどう対処すればいいのか判断した上で、謝罪が必要なときは一緒に謝りに行くなどの対応が求められます。
そして、部下の失敗やミスは受け止めつつもフィードバックを行い、再び失敗・ミスが起こらないよう指導するのも部下を守る1つの方法です。
部下も、「守ってくれる上司のために、次は絶対に結果を出そう」と前向きな姿勢で仕事に取り組めます。
注意したいのは、責任を負いすぎて、あなた自身の余裕がなくなることです。
仕事でアップアップになっている上司は頼りづらく、尊敬の対象にはならなくなってしまうので気をつけましょう。
4位 話を聞いてくれる
4位は265人中42人が回答した「話を聞いてくれる」。
親身に話を聞いてくれる上司は、部下にとって頼りになる存在です。
「アドバイスを与える」「解決法を一緒に考える」「対応できない理由について説明する」など、話を聞いた上でのアクションも大切となります。
「適当に話を聞くだけで、何もしてくれない」だと、かえって部下からの評価は下がってしまいます。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 相談をもちかけたら、手を止めてすぐに聞いてくれるところ(26歳 女性)
- 時間を割いて若手の不満などを聞いてくれる(32歳 女性)
- 現場の意見を大切にする(43歳 男性)
話を聞くときは仕事の手を止めて耳を傾けるようにしましょう。
仕事の片手間で話を聞いていては、自分の話をちゃんと理解してくれているのか不安になるでしょう。
さらには、仕事をしながらだと部下も仕事の邪魔をしてはいけないと考えて、すべての悩みを話しきれなかったりします。
手がはなせないときは、「1時間後にこちらから席に伺うよ」と具体的な時間を提案し、必ず話を聞くようにしましょう。
ここで忘れてしまっては、聞く耳すらもたない上司だと認識されてしまいます。
また、日頃からコミュニケーションを取っておくことも大切です。
コミュニケーションが取れていれば、部下も相談などの話が切り出しやすく、本音を伝えられるからですね。
話を聞く際のポイントは、部下の話をさえぎらずに最後まで聞き、自分の考えを押しつけないことです。
いくら話を聞いてもらえても、上司からのお説教や一方的な話が続けばウンザリしてしまい、「話を聞いてもらえて満足」とはなりません。
親身になって話に耳を傾け、悩みや問題点などを一緒になって解決していくようにしましょう。
5位 教育力・指導力がある
5位は265人中41人が回答した「教育力・指導力がある」でした。
「普段の業務に関する指導法」や「やる気の引き出し方」まで、さまざまな意見が寄せられました。
「頑張りや実績を認めてくれるのが嬉しい」という意見も目立っています。
部下の「努力」「長所」「仕事の結果」を見つけて認めるためには、部下の仕事ぶりをしっかり観察する必要があります。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- ほめるところはほめて、叱るときはしっかり叱ってくれる点です(25歳 男性)
- 部下をやる気にさせるのが上手い。「もっとできる」と励まし、できたときはそっと褒めてくれる。その上司に褒められると嬉しいと感じる(34歳 女性)
- 細かく指導してくれる(43歳 女性)
部下への教育力・指導力を身につけたいなら、自身の考えやビジョンなどは押しつけず、部下はどのようになりたいのかをヒアリングした上で、目標を掲げてみるといいでしょう。
押しつけられたり意向を聞いてもらえないと、教育や指導を行っても部下は受け入れられず、成長につなげられません。
たとえば「部下の人望が厚いからゆくゆくはリーダーになって欲しい」と思っていても、部下はリーダーを希望しておらず、サポートに回ることを得意としていたら、部下としてはプレッシャーになったりモチベーションが下がってしまいますよね。
部下のことを理解した上で、教育や指導を行うよう心がけましょう。
もし部下の教育や指導に興味があるのなら、部下育成やマネジメントなどのビジネスセミナーへ参加するのもおすすめです。
6位 一貫性があり公平
6位は265人中34人が回答した「一貫性があり公平」でした。
裏表がなく行動に一貫性がある人は、信頼・尊敬されやすくなります。
また上司として部下を評価する立場にいるため、「公平な評価ができる」ことも大切です。
「顧客や目上の人にはいい顔をして、部下には厳しく接する」「えこひいきする」といった人は尊敬されにくいでしょう。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- フェアな人。具体的には「気分や機嫌によって態度にムラがない」「人によって態度を変えない」など(26歳 女性)
- 相手が誰であっても考えや態度が変わらず丁寧(32歳 女性)
- 誰にでも変わらない態度で接する(51歳 男性)
一貫性をもつためには、仕事の目的・目標などを設定し、どんな状況でも考え方や行動にブレが生じないようにすることが大切です。
そのときどきで判断の方向性が変わってしまうと、一貫性がなく部下からの信頼も得られなくなってしまいます。
また、誰に対しても差別することなく同じ態度を取れれば、周囲から公平な人だと思ってもらえるでしょう。
人によって態度や扱い方を変えてしまっては、公平性に欠けてしまいます。
たとえば、将来を希望しているからと一人の部下だけに面白そうな仕事を与えて、ほかの部下にはルーティンワークを課すなどですね。
日頃から公平で常識的な判断ができるよう心がけてみてください。
7位 決断力・判断力がある
7位は265人中26人が回答した「決断力・判断力がある」です。
上司が行う判断の「スピード」や「合理性」を尊敬しているという人も多くなりました。
トラブルが起きて部下がパニックになっているとき、上司の的確な判断・指示で職場に秩序が戻ることもあるのではないでしょうか。
また中間管理職ですと「経営層からの指示」と「現場の状況」を照らし合わせて、落としどころを判断する能力も必要となるでしょう。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- しっかりと考えたうえで判断が早い(32歳 女性)
- 迷っているときに方針を示してくれる(38歳 男性)
- 合理的に判断できる(45歳 女性)
決断力や判断力を身につけたいなら、日常の些細なことからでいいので、決断・判断する練習をしましょう。
なぜなら、トレーニングをすることで決断力や判断力を鍛えられ、悩まず素早く判断できるようになるからですね。
たとえば、「昼食メニューを何にするか」「帰宅時に飲んで帰るか自宅で飲むかを決断する」など、身近なところにも決断や判断の必要な場面があるので、決める際はスピードなどを意識してみてください。
また、自分のなかでゴールや優先順位を決めておくのも、決断や判断を鈍らせないために有効です。
トレーニングを積めば決断力・判断力は磨けるので、ぜひ訓練してみてください。
8位 仕事熱心で真面目
8位は265人中23人が回答した「仕事熱心で真面目」です。
出世してからも「常に向上心を持ち真面目に業務に取り組む姿勢」をもつ上司は尊敬できますよね。
「上司があんなに熱心なのだから、自分も頑張ろう」と感化される部下もいるのではないでしょうか。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 部下よりもよく働いている(35歳 男性)
- 仕事に役立つ語学を、ラジオ講座などで勉強している(43歳 女性)
- 仕事に関してはとても厳しく怖いくらいですが 仕事への情熱に溢れています(52歳 女性)
会社での立場は関係なく、日頃から熱心かつ真面目に仕事に取り組むことが大切です。
これまでいい加減な態度で仕事をしていた人が、上司になった途端、熱心で真面目に仕事ができるかと言えば難しいからですね。
一度ラクを覚えたりサボり癖がつくと、なかなか抜け出せませんし、これまでの不真面目な仕事ぶりを見ていた部下もたくさんいるはずです。
ただし、あまりにも完璧主義で融通がきかないと、部下たちからは嫌がられてしまうので注意してください。
もし「自分には熱心さや真面目さがないのでは」と思っている人は、納期や時間を必ず守る、積極的に仕事を引き受けるなど、できることから取り組んでいきましょう。
9位 話がわかりやすい
9位は265人中22人が回答した「話がわかりやすい」でした。
「難しいな」と思っていたことを上司がわかりやすく説明してくれると、部下は「さすが」と思うはずです。
また話がわかりやすいと、部下とのコミュニケーションも円滑になりそうですね。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 仕事の説明がわかりやすい。噛み砕いて説明してくれる(28歳 女性)
- 指示するときの言葉遣いが的確で分かりやすい(34歳 女性)
- ロジカルな説明と説得力(46歳 男性)
部下にわかりやすく話を伝えるためには、結論から話し始めることを意識してください。
一番伝えたいことを後回しにしてしまうと、結局何が言いたかったのか自分自身もわからなくなったり、部下も考えながら話を聞かなくてはなりません。
まずは結論から話し、根拠や補足情報などをくわえていくと、部下も理解しやすくなります。
尊敬されたいからと、敢えて難しい言葉や専門用語を多用するのは、さらなる混乱を招いてしまうので避けましょう。
10位 感情的にならない
10位は265人中20人が回答した「感情的にならない」です。
喜怒哀楽が激しい上司だと、部下は「ミスしたらきつく怒られるのでは」とビクビクしてしまいます。
反対にネガティブな感情を表に出さず、常に冷静な上司であれば、「安心して頼れる」と感じるでしょう。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 部下が失敗しても怒らず、解決方法を一緒に考えてくれる(31歳 女性)
- どんなことがあっても怒らない(40歳 男性)
- 仕事が大変なのでイラっとすることもあると思うが、部下に対してキツい言い方をしたり声を荒らげたりする場面は見たことがない(55歳 女性)
感情的にならないためには、気持ちに余裕をもつことが大切です。
イライラしていたり、相手の感情に引きずられたりすると、どうしても感情的になってしまうからですね。
日頃からストレス発散をしてガス抜きしたり、冷静な行動ができるように心がけておきましょう。
とくに仕事で抱きやすいのが「怒り」の感情です。
もし怒りを我慢したり苦しいのであれば、アンガーマネジメントを学ぶことも検討してみてはいかがでしょうか。

尊敬できる上司が持っている『リーダーシップ』。実はリーダーシップには、公式があるんです!
それは、【リーダーシップ=敬意×信頼】です。
リーダーシップとは、言い換えれば影響力のこと。その影響力は、敬意と信頼が大きく影響を受けています。
この『敬意』が、2位の『仕事ができる』や5位の『教育力・指導力がある』に反映していますね!
また、『信頼』に関しても、1位の『部下を気にかけている』や3位の『責任感があり、部下を守れる』、4位の『話を聞いてくれる』、6位の『一貫性があり公平』などに反映しているのがわかります。
尊敬できない上司の特徴ランキング
続いて、仕事している全国の男女500名に「尊敬できない上司の特徴」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「感情的な行動が目立つ(105人)」です。
2位「自分本位で思いやりがない(96人)」、3位「無責任で部下を守らない(83人)」、4位「不真面目・不誠実(79人)」と続きます。
以降、5位「一貫性がなく不公平(67人)」、6位「話を聞いてくれない(41人)」、7位「口だけで行動しない(39人)」、8位「偉そうで威圧的(38人)」、9位「仕事ができない(37位)」、10位「批判・悪口が多い(33人)」の結果となりました。
「感情的」「自分本位」「無責任」「不真面目」など、性格・人格に関する回答が上位にランクインしています。
人間性が尊敬できないと、いくら仕事ができても「尊敬できる上司」とはいえないとわかりますね。
では具体的な回答を紹介します。
1位 感情的な行動が目立つ
1位は500人中105人が回答した「感情的な行動が目立つ」でした。
「管理職の機嫌の良し悪し」は部署全体に影響を及ぼすので、上司がイライラしていると、部下は萎縮して仕事しにくくなってしまいます。
注意を受けているときも「上司が怒っているから怖い」という気持ちが先行し、指導されている内容がしっかり頭に入っていないかもしれません。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 思い通りの結果にならず虫の居所が悪いと、すぐにイライラしたり怒鳴ったりする上司。部下が萎縮して効率は下がる一方です(23歳 女性)
- 部下を叱るときに感情的になる人。ミスの原因を叱るならともかく、人格などを否定する人は尊敬できません(31歳 男性)
- 感情論で話し、喜怒哀楽が激しい(42歳 女性)
2位 自分本位で思いやりがない
2位は500人中96人が回答した「自分本位で思いやりがない」です。
部下をもつと自分のことばかり考えてはいられません。
「部下が困っていないか」「部下が担当している仕事の進捗は順調か」と気配りする必要があるものの、実際にはできていない人も多いようです。
部下に「あの上司は自分のことしか考えていない」と思われると、尊敬されず嫌われてしまいます。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 自分の作業効率ばかり気にして、部下が困っていても知らないふりをする(34歳 女性)
- 同僚や部下に無関心(40歳 女性)
- 自分を中心に物事をとらえ、周りに対する配慮が足りない(49歳 男性)
3位 無責任で部下を守らない
3位は500人中83人が回答した「無責任で部下を守らない」です。
チームや部署のリーダーになると、部下の代わりにミスについて謝ったり、フォローに走ったりする場面もでてくるはず。
しかし「自分が責任者だ」という感覚のない上司だと、知らんぷりしてしまうこともあるようです。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 何かあったときに部下を守ってくれない(31歳 男性)
- 人にあれこれと指示するくせに、自分では責任をとらない(48歳 女性)
- 問題が発生したときに、すぐに部下の責任にするところです(50歳 女性)
4位 不真面目・不誠実
4位は500人中79人が回答した「不真面目・不誠実」です。
「遅刻」「居眠り」「仕事の丸投げ」など、「仕事への熱意が感じられない上司の態度」にうんざりしているという声が寄せられました。
「上司の尻拭い」や「上司から押し付けられた仕事」に対しては、誰しも積極的になれませんよね。
上司が不真面目だと「上司がサボっているのに、自分だけ真面目に働くのは馬鹿らしい」と思う部下もでてきそうです。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- おしゃべりしてばかりで真面目に仕事しない(24歳 女性)
- 仕事を部下に任せて、自分は何もしない(34歳 男性)
- 「パソコンができない」という理由で事務仕事を他の人にやらせる。「オレは年だから」と言ってまったく働かない(41歳 女性)
5位 一貫性がなく不公平
5位は500人中67人が回答した「一貫性がなく不公平」がランクイン。
「言動がコロコロ変わる」「評価が不公平」という上司に対し、不信感をもってしまう部下も多いです。
上司の指示が頻繁に変わると、部下は振り回されてしまって大変ですよね。
また上司から部下への評価は昇進・昇給に関わります。
「評価が不公平だ」「好き嫌いだけで評価しているのでは」と感じると、部下の不満は大きくなるでしょう。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 特定の人をえこひいきする。また発言に一貫性がない(30歳 女性)
- 言っていることがコロコロ変わり、信用できない。人によって態度を変える(37歳 男性)
- 評価の仕方にバラツキがあり、信用できない(52歳 男性)
6位 話を聞いてくれない
6位は500人中41人が回答した「話を聞いてくれない」でした。
「相手の話を聞き、理解しようと努める」のはコミュニケーションの基本ですが、できていない上司も多いようです。
話を丁寧に聞いてもらえないと、ないがしろにされたように感じる部下も多いでしょう。
「求められたから意見したのに、吟味せずに否定される」という、かなりストレスが溜まる経験をしている人もいました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 自分が正しいと思っていて、部下や他人の話を聞かない(28歳 男性)
- 部下の意見を聞いてくれません。働き方改革のために意見を出すことがあるものの、ほとんど取り入れてもらえません(32歳 女性)
- 意見を聞かない。部下の意見を否定する(53歳 男性)
7位 口だけで行動しない
7位は500人中39人が回答した「口だけで行動しない」でした。
「口ではかっこいいことを言うが、行動が伴っていない」「言ってることとやってることが全然違う」と感じると、部下はガッカリしてしまいます。
「口先だけの人」と、上司を軽蔑することもあるでしょう。
上司には「部下と一緒に汗をかく」「部下に求めることを、自分もやってみせる」という姿勢が求められるのではないでしょうか。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 行動が伴っていない口だけの人(28歳 女性)
- 口では良いことを言うが、行動が伴っていない(44歳 女性)
- 口だけでしんどい仕事はしない(52歳 男性)
8位 偉そうで威圧的
8位は500人中38人が回答した「偉そうで威圧的」です。
偉そうで威圧的な人は、実は自信がなく、不安を取り繕うために威圧的な態度をとってしまっている可能性も。
いわゆる「マウント」をとることで、自信のない自分を安心させているのかもしれません。
反対に優秀なリーダーほど偉ぶらないのは、自信や余裕があるからなのでしょう。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 周りや部下のことを見下している(35歳 女性)
- 部下を軽く見る人。横柄な態度をとるなど、人を大事にしないタイプです(45歳 男性)
- とにかく上から目線で圧をかけてくる(52歳 女性)
9位 仕事ができない
9位は500人中37人が回答した「仕事ができない」でした。
「能力やスキルが足りない」「仕事の進め方が非効率」などの意見が寄せられています。
いくら人格者でも能力が足りないと、仕事する上では「上司としての適性がない」と思われてしまいます。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 先のスケジュールが分かってるのに、準備不足でいつも間に合っていない(30歳 女性)
- 嫌な人物ではないが、上に気に入られて現在のポジションにいるだけ。仕事は部下よりできない(31歳 男性)
- 人はいいが仕事はできない(51歳 女性)
10位 批判・悪口が多い
10位は500人中33人が回答した「批判・悪口が多い」でした。
「ネガティブな発言が多い」「否定や批判が多い」上司は、部下のやる気を削いでしまう可能性が高いですね。
とくに部下の陰口を言うような人は、尊敬されません。
「経験の浅い部下だから、できないことがあって当然」「自分と部下とは違う意見をもって当然」と受け入れられる余裕がある上司なら、かっこいいと感じてもらえるでしょう。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 他人の陰口が多い(23歳 女性)
- 仕事はできるが、部下の悪口や愚痴が多い(36歳 女性)
- 相手を否定するところから入る(40歳 男性)

尊敬できない上司の特徴ランキングを見ても、今よく言われている『心理的安全性の高い職場』とは真逆ですね!
働いていて、不安を安心に変えてくれる職場や上司は『心理的安全性』が高いですが、不安を増長させてしまう上司では困ってしまいますよね!つまり、このランキングの上司のことです。
尊敬される上司になるために押さえておきたいポイント
尊敬される上司になるために押さえておきたいポイントは次の4つです。
- コミュニケーション力を強化する
- ポジティブな言動を心がける
- 真面目な態度で仕事に取り組み成果を出す
- リーダーシップスキルを高める
それぞれの押さえておきたいポイントについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
コミュニケーション力を強化する
部下から尊敬してもらうためには、コミュニケーション力を強化しておきましょう。
尊敬できる上司の特徴ランキングには、「部下を気にかけている」「話を聞いてくれる」「話がわかりやすい」など、コミュニケーション力の必要な特徴がランクインしています。
部下への声掛けや、わかりやすい伝え方といった「話す力」はもちろん、話を聞く「傾聴力」もコミュニケーションには欠かせません。
とくに上司という立場になると、話を聞き出したり、話を最後までしっかり聞くといったテクニックが必要になってくるので、日頃から意識して鍛えておくといいでしょう。
『コミュトレ』とは、一般的な話し方教室やコーチングと違い、ビジネスコミュニケーションのスキルアップに特化したビジネススキルスクールです。
人間心理と教育工学に基づいた内容を実践形式で学べます。
雑誌・ラジオといったメディアにも紹介されていて、受講者数も1万人を突破している人気のスクールです。
具体的な内容としては、コミュニケーションの悩み別に応じて、次のようなコースが用意されています。
コース名 | おすすめな方 |
---|---|
ディスカッションスキルコース (論理力・発言力強化) |
・会議の場で自分の意見に自信を持てるようになりたい方。 ・自分の意見を分かりやすく、説得力をもって伝えることが出来るようになりたい方。 ・会議の進行(ファシリテーション)ができるようになりたい方。 |
スピーチ・プレゼンスキルコース (人前での話し方・発信力強化) |
・人前で緊張せず自信を持って話せるようになりたい方。 ・人に影響を与えるスピーチ・プレゼンテーションができるようになりたい方。 ・人に影響を与えるメカニズムを知りたい方。 |
セールススキルコース (営業力・積極的な提案力強化) |
・営業力を身につけたい方。 ・提案力を身につけたい方。 ・営業・提案に興味がある方。 |
リレーションシップコース (人間関係構築力強化) |
・良好な人間関係を構築できるようになりたい方。 ・自分のことを上手く伝えられるようになりたい方。 ・周囲との関係を上手く調整できるようになりたい方。 |
フォロワーシップコース (上司との信頼構築力強化) |
・上司からの信頼を得たい方。 ・主体的に仕事を進めていけるようになりたい方。 ・自立した社会人になりたい方。 |
マネジメントスキルコース (マネジメント力強化) |
・部下をマネジメントする立場の方。 ・部下と信頼関係を築き、的確な指示を出せるようになりたい方。 ・部下のマネジメントに興味がある方。 |
(※引用元:コミュトレ公式サイト)
料金に関しては、各コースや講義を受ける期間や時間に応じて変化します。
約90分の無料診断セミナーを行っているので、担当者の話を聞いてみてから値段に見合っているかを判断してみてはいかがでしょうか。
診断結果によっては、自分の予想していたのとはまた別のスキルを身に着けたほうが良い可能性もあります。
セミナー後にコミュ力の診断結果シートをプレゼントしてもらえるのですが、受け取っておくことをおすすめします。
シートをチェックすることで、ビジネスコミュニケーション内において、自分の強みや弱みを客観視できるからです。
無料診断セミナーは東京・大阪・名古屋の拠点以外にオンラインにも対応しています。
全国どこからでも参加できるので、興味がある方はぜひ参加してみてください。
ポジティブな言動を心がける
ポジティブな言動を心がけるのも、尊敬される上司には必要不可欠です。
常にマイナス思考の上司のもとで仕事をしても学べるものがなく、逆に「ネガティブな思考が伝染ってしまう」と部下から避けられてしまうことにも。
尊敬できない上司の特徴ランキングには、「無責任」「行動しない」「不真面目」など仕事に対して消極的な姿勢も目立ちました。
「部下なら大丈夫」とエンパワーメント(権限委譲)を積極的に取り入れているような前向きな上司だと、部下もついていきたくなるのではないでしょうか。
また、「感情的」「自分本位」といった自己中心的な上司の特徴も上位に入っていることから、周りが気持ちよく仕事に取り組めるような、ポジティブな言動が望まれます。
ミスや失敗をしても感情的になって怒りをぶつけるのではなく、前向きにフォローしたり、モチベーションをアップできるような助言ができるよう、日頃からポジティブな言葉を使うようにするといいでしょう。
真面目な態度で仕事に取り組み成果を出す
真面目な態度で仕事に取り組み成果を出すことも大切です。
尊敬できる上司の大前提は、仕事で結果を出していること。
しかし、不真面目な勤務態度でも結果を出す上司はいますし、中には部下の手柄を横取りして成果を出すような上司も存在します。
部下は責任感をもって真面目に仕事に取り組む上司の背中を見ており、不真面目な上司はいくら仕事で結果を出していても、尊敬どころか軽蔑の対象に。
高いコンプライアンス意識をもって仕事に取り組み、しっかりと結果も出していきましょう。
リーダーシップスキルを高める
上司に必要なリーダーシップスキルを高めておくこともおすすめします。
中村氏の考察コメントにもあるように、尊敬できる上司にはリーダーシップがあるからですね。
尊敬できる上司の特徴ランキングにも、「教育力・指導力」「教育力・判断力」「責任感」といったリーダーシップに必要なスキルがランクインしています。
ほかにも「分析力」「課題設定力」「コミュニケーション力」など、リーダーには求められるスキルがたくさんあります。
「上記スキルをすべて備えていない自分には、リーダーの資格がないのでは」と思うかもしれませんが、リーダーシップは才能ではなく、学べば身につく力です。
リーダーシップ講座や研修、書籍などを活用して、リーダーシップスキルを磨いていきましょう。
リーダー候補の人は、社内でリーダーシップ研修の声がかかることもあるので、ぜひ参加してみてください。
尊敬できる上司とできない上司の特徴アンケート調査結果まとめ
仕事している全国の男女500人「尊敬できる上司」「尊敬できない上司」の特徴についてアンケートを行いましたがいかがでしたでしょうか。
アンケート調査結果をまとめてみると、「仕事ができるだけでも、性格がいいだけでも、上司としては尊敬されない」ことがわかりました。
仕事の能力と「親身」「思いやりがある」といった人間性を兼ね備えていることが、尊敬される上司の条件だといえそうです。
「思いやり」「親身」「感情的にならない」といった人間性は、心に余裕がないと出てこないものかもしれません。
つまり自信と余裕をもつことで、尊敬される上司に近づけるのではないでしょうか。
自分に自信や余裕をもつためにも、日頃から「コミュニケーション力」や「ポジティブ思考」をはじめとした、さまざまなビジネススキルを磨いておくようにしましょう。
記事内でも紹介してきたビジネススキルスクール『コミュトレ』はオススメ選択肢のひとつといえるので、興味がある方はチェックしてみてください。

働いていると、『私は職場で必要とされているだろうか』と不安に感じたりします。それを解消してあげられることが尊敬できる上司になっていくのだと思います。
そのためには、日々部下に関心を持ち、ちょっとした変化に気づくことです。
「何か悩みがあったら言えよ!」ではなく、上司からちょっとした変化に気づき、声かけすることです。
最近は、コミュニケーションがどんどん希薄になってきていますが、信頼関係は日々の積み重ねでしか築いていけません。
是非、今回のランキングを参考に尊敬できる上司を目指していきましょう!私も精進します!