
「子育てと両立しやすい職場で働きたい」と考える人は多いでしょう。
ではどのような仕事であれば子育てと両立しやすいのでしょうか。
今回は子育てしながら働いている女性375名を対象にアンケートを実施し、「子育てと両立できる仕事」について調査しました。
- 調査対象:子育てしながら働いている女性
- 調査期間:2022年7月23日~8月6日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:375人
- 回答者の年代:20代 20.0%/30代 51.7%/40代 25.1%/50代 3.2%
さらに「子育てママの現在の雇用形態」や「子育てと両立できる仕事の特徴」についての調査結果も紹介しています。
アンケート結果に対して、株式会社マイスタースタジオの二宮悠実氏から監修者としてアドバイスをいただきました。
株式会社マイスタースタジオ人事部長
二宮悠実氏
子育て中の主婦で未経験から採用マーケッターとして入社し、現在は人事部長を務める。自身と同様に子育て中の主婦が「やりたい仕事」「短い時間で満足な収入」「社会貢献」を実現できる職場づくりを実践し、無名の同社採用部門が年間7千名を超える応募を得るまでに成長させた人事採用の専門家。
みん評やソーシャルグッドリンクなど様々なサービスの次期リーダーを採用・育成することを目指す。
子育てと両立できている仕事ランキング
子育てしながら働いている女性375名に「子育てと両立できている仕事」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
回答数の多かった順にランキング形式で紹介しています。
1位になったのは「事務職(92人)」です。
2位「接客・飲食業(45人)」、3位「医療系専門職(30人)」、4位「製造・軽作業(24人)」と続きます。
以降、5位「保育士(18人)」、6位「コールセンター(17人)」、7位「ライター(15人)」の結果となりました。
「事務」「接客」など、「女性が多い職種・職場」といわれる仕事が多くランクインしています。
子育てしながらの就業に理解があり、職場に子育て中の仲間も多いことから両立しやすいのだと考えられます。
また「医療系専門職」「保育士」など、人手不足かつ資格を活かせる仕事も上位にランクイン。
資格があれば「短時間勤務」「パートや派遣社員」など、勤務時間や勤務日時に融通のきく働き方を選びやすくなるのかもしれません。
「介護・福祉職(14人)」も8位に入っています。
では具体的な回答を紹介していくので参考にしてみてください。
1位 事務職
1位は375人中92人が回答した「事務職」でした。
いわゆる一般的なオフィスワークですね。
「体力的にラク」「土日休みの仕事が多い」といった点が、子育てと両立しやすいポイントです。
また「人員配置に余裕がある」「休暇制度が整っている」といった職場なら、比較的休みやすいでしょう。
職場や仕事内容にもよりますが、「テレワークをしやすい」というメリットもあります。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 身体を使う仕事ではないので、疲れ切っていない状態で家事や子育てができる(25歳 子ども4歳)
- 事務員が何人かいるので、子どもの急な熱や参観日などで休みを取りやすい。学校や保育園が休みの日も、子ども連れで仕事できた(31歳 子ども9歳・7歳)
- 大学事務。福利厚生がしっかりしており、子どもの急な病気でも気をつかわず休める。年末年始等など子どもと休日が重なるので安心(35歳 子ども9歳・4歳)
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2位 接客・飲食業
2位は375人中45人が回答した「接客・飲食業」です。
「短時間勤務」「残業がない」「シフトの融通がきく」など、勤務日・時間に関する回答が多く寄せられました。
またランチタイムなど昼間のみの仕事であれば「子育て中のスタッフが多い」など、似た境遇の人が多く、理解し合えるというメリットも。
休まなくてはいけないときに頼れる仲間がいると、働きやすいと感じますよね。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 旅館の清掃とご案内業務。好きな時間・日数を選択できるから(29歳 子ども3歳)
- 携帯ショップの窓口。シフト制で子育てママもたくさん働いていて理解があり、融通をきかせてくれるので、安心して仕事できている(34歳 子ども3歳)
- 回転寿司屋のホール。ランチタイムのピーク時間のみの勤務なので、子育て中の人が多い。子どもの急病や学級閉鎖で休むときも「お互い様だよ」と快くシフトを変わってくれる(37歳 子ども4歳)
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3位 医療系専門職
3位は375人中30人が回答した「医療系専門職」です。
具体的には「看護師」「薬剤師」「理学療法士」などです。
医療系専門職はパート・派遣の需要も多く、都合の良い時間だけ働けるので、無理なく子育てと両立できます。
また短時間勤務であれば、子育ての時間だけではなく自分の時間もとりやすいメリットがあります。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- クリニックの看護師。勤務時間が午前中のみなので、自分の時間も取れ、家族との時間も大切にできる(26歳 子ども2歳)
- 看護師。子育て経験のある人が多く、子育てしながらの勤務にサポートを得やすい環境だから。「産休育休」「育児短時間勤務」が取得でき、雇用形態や勤務時間も変更可能だから(32歳 子ども2歳)
- 病棟勤務の看護師。24時間365日のシフト勤務のため、参観日などで平日休みが必要なときに、周りに迷惑をかけず休める。夜勤明けの平日休みは子どもを保育園と学校に行かせて、一人ゆっくりできる(43歳 子ども8歳・2歳)
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4位 製造・軽作業
4位は375人中24人が回答した「製造・軽作業」でした。
「人が多いので休みやすい」「残業が少ない」という回答が目立ちました。
また工場勤務の中でも「検査・検品」などの座り仕事であれば、体力的にも比較的ラクです。
「繰り返し作業が多く、仕事を覚えやすい」という仕事なら、新しく仕事を始める際のハードルも下がります。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 残業が少ない(23歳 子ども3歳)
- 製造業の検査業務。基本的に定時で終わります。また冷暖房完備の座り仕事なので、体力的にもハードではありません(33歳 子ども11歳)
- 組み立ての軽作業。子どもの体調不良による急な休みでも、代わりがたくさんいる。シフトを自分の好きなように申請できる(40歳 子ども5歳)
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5位 保育士
5位は375人中18人が回答した「保育士」でした。
パートや契約社員の保育士として働く人からの回答が多く、「休みやすい」「持ち帰りがない」「精神的な負担が少ない」といった回答が多数。
歯科医院の託児コーナーや児童発達支援センターなど、保育園以外で働いている人もいました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 勤務先に自分の子どもを預けているので、子どもの急な体調不良でもすぐに対応できます。また家庭の事情にあわせて遅刻や早退も可能。持ち帰りの仕事もほぼなし(30歳 子ども7歳・6歳の双子・2歳)
- 保育補助。担任はもたず正職員をフォローする仕事なので精神的にラク。また定時ぴったりに帰れるので、時間にも余裕がもてる(32歳 子ども3歳)
- 歯科医の託児。持ち帰る仕事がなく、子どもとの時間も取れているためです(44歳 子ども7歳)
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6位 コールセンター
6位は375人中17人が回答した「コールセンター」です。
「シフトの自由度が高い」「短時間だけでも働ける」など、勤務時間についての回答が多く寄せられています。
また「子育て中の女性が多いコールセンター」「人数が多いコールセンター」なら、比較的休みやすいのもメリット。
なお在宅でテレアポを請け負っていて「通勤時間がないのでラク」という人もいました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 通信販売のコールセンター。シフト提出が1ヶ月ごとなので、子どもの学校行事や休みに合わせられる(27歳 子ども7歳)
- 幼児向け教材販売のコールセンター。現場で働いている人たちは子育てママが多く、急な病気などでの休みを理解してもらいやすいから(33歳 子ども8歳)
- 航空会社の予約センターのテレホンオペレーター。子どもが未就学児なので「勤務時間固定で時短勤務」を選択できる。1日4時間勤務なので、両立しやすい(44歳 子ども10歳・8歳・5歳)
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7位 ライター
7位は375人中15人が回答した「ライター」でした。
在宅でライターとして働く人からの回答が多数。
そのためメリットとしては「作業時間が決まっていない」「通勤がない」が多く挙がりました。
フリーランスなら仕事量を自分で調節できるのも、働きやすいポイントでしょう。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 在宅のライター。フリーランスなので子どもの体調や予定に合わせやすい(27歳 子ども1歳)
- ライター。夜に子どもが寝た後でも仕事ができるから(33歳 子ども8歳・6歳・4歳・1歳)
- ブログ記事ライティング。仕事を休んだり調整したりと、気を遣うことがほとんどありません。通勤がないので、子どもに何かあった場合もすぐ迎えに行けて助かっています(35歳 子ども6歳)
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出産・育児で退職したものの、再び働きたいと思っているママは、上記ランキングの職種を参考にしてみてはいかがでしょうか。
子育てしながら働いている女性たちから、「両立できている」「働きやすい」といった支持の高い仕事なので両立しやすいはずです。
また、経験や資格のある仕事に復職するのも選択肢の1つです。
未経験から始める仕事に比べると、覚えることも少なく仕事にも慣れやすいからですね。
初めての仕事だと、覚えたり慣れたりするストレスを家庭に持ち込んでしまったり、仕事がスムーズに進められず残業になることなども考えられます。
仕事探しを始める前にキャリアの棚卸しを行い、自分のスキルや経験などを今一度確認してみてください。
■二宮悠実氏のアドバイス
1位~7位のいずれも時間的な都合がつきやすいという共通点がありますね。
言い換えると、社内での仕組み化が進んでいる(=急なお休みにも対応できる)職種と言えます。今後、優秀な子育てママを採用する際にはここが鍵になってくるのは間違いありません。
子育てしながら働いている女性の雇用形態
次に、子育てしながら働いている女性375名に「雇用形態」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
もっとも多かったのは「パート・アルバイト(45.1%)」です。
「正社員(フルタイム)(18.9%)」、3位「正社員(時短勤務)(10.1%)」と続きます。
多くの人が非正規雇用で働いているのですね。
「パートなら残業が比較的少ない」「正社員に比べて責任の範囲が狭く、家庭と仕事の切り替えがスムーズ」といった理由があるのでしょう。
久しぶりの仕事復帰が不安な人は、「パート・アルバイト」「派遣社員」からはじめてみてはいかがでしょうか。
勤務時間が短かったり、勤務日数が少なかったりと無理なく働けますし、仕事の責任も正社員に比べると軽いので負担も軽減できます。
また、非正規でブランクを埋めながら、ゆくゆくは転職エージェントや転職サイトなどを活用して正社員へ転職する道もあります。
収入の安定性やキャリアアップを希望している人には、正社員という雇用形態は魅力的なはずです。
しかし、ママの再就職はハードルが高い傾向に。
正社員として働きたい人は、妊娠や出産きっかけで退職はせず、産休・育休制度を活用して職場復帰するのがメリット大でおすすめです。
復帰したものの育児と仕事の両立がうまくいかない人は、配置転換や部署異動をお願いしたり、転職を検討してみてはいかがでしょうか。
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■二宮悠実氏のアドバイス
働く上での優先事項が時間的な自由である以上、このアンケート結果は必然です。
この結果だけ見ると正社員にはなりづらいのかとネガティブな印象を持つ方もいるかも知れませんが、同一労働同一賃金の元、短い時間でも正社員に負けない優秀さを示すことによって雇用形態に関わらず活躍に応じた収入UPの土壌ができつつあります。
子育てママで正社員として働きづらいからこそ、正社員でなくても活躍すれば正当に認められ収入に反映される会社を探すことが重要になってきます。
子育てと両立できる仕事の特徴ランキング
続いて、子育てしながら働いている女性375名に「子育てと両立できる仕事の特徴」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
回答数の多かった順にランキング形式で紹介しています。
1位になったのは「休みやすい・早退しやすい(170人)」です。
2位「自宅・保育園・学校から近い(169人)」、3位「勤務時間が希望通り(105人)」、4位「子育てへの理解がある(44人)」と続きます。
以降、5位「在宅勤務できる(42人)」、6位「残業がない・少ない(39人)」、7位「土日祝日が休み(19人)」の結果となりました。
「休み」「時間」についての回答が上位にランクインしています。
子どもの都合に合わせて勤務できることが重要なポイントだとわかりますね。
では具体的な回答を紹介します。
1位 休みやすい・早退しやすい
1位は375人中170人が回答した「休みやすい・早退しやすい」でした。
小さな子どもは急に体調を崩すため、親が突発的に休んだり早退したりすることもありますね。
また夏休みなど子どもの長期休暇中のシフトを調整できると、子どもと過ごす時間を確保できます。
「子どものために休みが必要になったときに、仕事を休みやすい」のは、大切なポイントです。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 子どもは急に体調を崩しやすいので、急なお休みや早退をお願いしてもすぐに対応してもらえることです(25歳 子ども5歳)
- 子どもの体調不良時や長期休みなどに融通がきくこと(38歳 子ども9歳・7歳)
- 子どもが病気のときに気兼ねなく休める(43歳 子ども9歳)
同じ子育て世代や、子育て経験のある女性が多く働いている職場を探してみてください。
理解してくれる先輩ママの多い会社は、職場全体が「子どもの急な体調不良」や「学校への呼び出し」などによる、欠勤・早退・遅刻などにも寛容な雰囲気だからですね。
子どもの都合で休む場合、どうしても罪悪感を抱きやすいですが、理解してくれる人が多ければ風当たりも強くないでしょう。
また、融通の利きやすい職場選びもおすすめです。
急な休みや早退に対しても、あなたの仕事をフォローできる人員が整っていたり、あなたが抜けても業務が回る仕事内容であれば問題ありません。
たとえば、コールセンターのような同じ仕事を複数のスタッフで行っていたり、従業員がたくさんいて、代わりに誰かが担当できるような仕組みのできている職場ですね。
当日欠勤・早退時の勤務体制や、同じ仕事に従事している人がどれぐらいいるのかなど、求人情報や面接で確認しておくといいでしょう。
2位 自宅・保育園・学校から近い
2位は375人中169人が回答した「自宅・保育園・学校から近い」です。
「送迎時間に余裕がある」「保育園からの呼び出しが合ったときにすぐ迎えに行けて安心」といった点も、子育てしながら仕事するうえで重要だとわかります。
職場が遠いと親も子どもも早起きしなくてはならず、子どもを保育園に預ける時間も長くなるので、「子どもに無理をさせているのでは」と罪悪感を感じる人もいるでしょう。
また帰宅後の食事なども慌ただしくなり、余裕がなくなってしまうケースもありそうです。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 勤務先と自宅・保育園が近い(28歳 子ども2歳)
- 勤務先が家から車で15分以内(35歳 子ども6歳・0歳)
- PTAの当番が終わってからでも、出勤時間に間に合うぐらいの距離にある職場(46歳 子ども11歳)
自宅・保育園・学校に近い職場は、「通勤や送迎の時短が叶う」「子どもに何かあったときすぐ迎えに行ける」といったメリットだけではないことを理解しておきましょう。
なぜなら、「近所の人」「園や学校の関係者」などに遭遇する可能性が高かったり、仕事内容が限られて選べないなどのデメリットもあるからですね。
ご近所さんやママ友に働いている場所が知られて噂になりたくない人や、職場に知り合いが来て働きにくくなるのが心配という人は、生活圏での勤務はデメリットになる可能性が。
また、地域によっては自宅・保育園・学校周りで働ける仕事内容が限られるケースもあるでしょう。
やりたい仕事がある人や、具体的なキャリアプランを立てている人は、「自宅・保育園・学校近く」で絞ってしまうと、諦めたり妥協したりすることにもなります。
ご近所さんやママ友との人間関係から解放されたい人や、仕事に妥協したくない人は、メリットとデメリットを比較して勤務場所を検討してください。
3位 勤務時間が希望通り
3位は375人中105人が回答した「勤務時間が希望通り」です。
「短時間勤務」「シフトが自由」などの回答が寄せられました。
子どもが保育園・幼稚園や学校に通っている人であれば、開園時間や学童保育の利用時間内で働く必要があるからでしょう。
また在宅ワークを念頭に「スキマ時間で働けること」「決まった勤務時間がないこと」という回答も複数見られました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 短時間勤務できて、シフトの融通がきくところ(24歳 子ども4歳)
- 決められた時間ではなく、自由な時間で仕事できる(30歳 子ども1歳)
- 子どもが通学している時間内の勤務(52歳 子ども12歳)
希望通りの勤務時間で働きたい人は、飲食店や小売店での勤務を目指してみてはいかがでしょうか。
なぜなら、飲食や小売などの接客・サービスの仕事は、シフト制を導入していることが多く、希望した曜日や時間で働けるからですね。
シフト制には就業前に勤務する曜日や時間を決める「固定シフト制」と、週や月ごとに希望を出して勤務先が働く日時を調整してくれる「自由シフト制」があるので、仕事探しの際はどちらのシフト制なのか確認しておくようにしましょう。
子どもがいるママには「自由シフト制」のほうが、園や学校の行事などに合わせた働き方がしやすいのではないでしょうか。
また、在宅ワークという働き方を選ぶのも1つの方法です。
自分で時間をやりくりしながら働けるので、「子どもが病気で学校を休んだ日は、午前中は病院へ連れて行って午後から仕事をする」といった働き方もできます。
さらに、仕事に就きたいからと就業時間を妥協しないことも大切です。
面接時に「もう少し勤務時間を延ばせないか」とお願いされても、「保育園に子供を預けている時間を延長できないので17時までしか無理です」とはっきり希望を伝えておくようにしましょう。
4位 子育てへの理解がある
4位は375人中44人が回答した「子育てへの理解がある」でした。
職場に理解があれば、急な休みや早退でも気まずい思いをしなくてすみますね。
「休めるには休めるが、嫌な顔をされる」のか、「お互い様」「当たり前」といった受け取り方をしてくれるのかで、働きやすさは大きく変わりそうです。
子育て中・子育て経験のある上司や同僚が多い職場であれば、理解されやすいのではないでしょうか。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- どうしても子どもを預けられないとき、子ども同伴を快く受け入れてくれること(25歳 子ども0歳)
- 同僚の方の理解が深いこと。「終業直前には新しい仕事を持ち込まない」などの配慮をしてもらえる(34歳 子ども5歳)
- 理解のある上司や同僚に恵まれることです(36歳 子ども10歳)
子育てへの理解がある職場かを判断する際は、社風をチェックするようにしましょう。
会社によっては子連れ出社が可能であったり、ママだけでなくパパや上司も子どもの都合で休んだり遅刻したりが当たり前だったりと、子育てありきの環境が整っているからですね。
子育てへの理解がある社風なら、子どもがいない社員の子育てに対する理解度も高い傾向にあり、急な休みや早退などに対しても、カバーし合うのが当然という考え方が浸透しています。
また、社内保育園やファミリーデーなど、育児中の従業員が働きやすい支援制度や取り組みも充実しています。
求人情報や企業のホームページ、社長のインタビュー記事などで社風を確認したり、「転職会議」など企業の口コミサイトを参考にしてみるといいでしょう。
「子育てしながら働きやすい企業ランキング」なども定期的に発表されているので、あわせてチェックしてみてください。
5位 在宅勤務できる
5位は375人中42人が回答した「在宅勤務できる」でした。
在宅勤務できれば、朝や夕方の時間に余裕ができます。
週に何日かでも在宅勤務できれば、家事や買い物にあてる時間がとれて、「働きやすいな」と感じることが増えそうですね。
またクラウドソーシングなどを使った在宅ワークなら、子どもを自宅で見ながらスキマ時間で働けます。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 在宅勤務。通勤時間を家事にあてられるし、何かあったときに子どもを迎えに行きやすい(29歳 子ども5歳)
- 在宅勤務できる(35歳 子ども0歳)
- まだ子どもが小さいから、自宅でできる仕事がよい(41歳 子ども1歳)
在宅勤務を希望する人は、求人サイトなどで「在宅勤務可」「在宅OK」の条件にチェックを入れて検索してみてください。
最近は、雇用形態に関係なく在宅勤務可能な求人も増えているので、以下のサイトでチェックしてみるといいでしょう。
ただし、在宅勤務可能な仕事は、「システムエンジニア」「プログラマー」「Webデザイナー」などスキルが必要なものも多いです。
スキルや経験に自信のない人は、「データ入力」や「Webライター」といった簡単なパソコン操作さえできれば可能な仕事を目指してみてはいかがでしょうか。
子どもを保育園に預けず働く場合、仕事に集中できるか、ミーティングなどに問題なく参加できるかなどをクリアにしておくことをおすすめします。
実際に在宅勤務を始めたものの、「子どもが居て集中できない」「ミーティング時間に子どもがグズって参加できない」とはならないよう、前もって対策を考えておきましょう。
6位 残業がない・少ない
6位は375人中39人が回答した「残業がない・少ない」です。
残業が発生して帰りが遅くなると、お迎えの時間に間に合うか心配になってしまいますよね。
「延長保育料金がかかる」「待っている子どもを不安にさせてしまう」などの心配もでてきます。
臨機応変にパートナーとお迎え担当を交代できるならいいですが、「自分が迎えに行くしかない」という人は、終業時間や残業の有無が大きなポイントになります。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 定時ですぐ帰れるところ(28歳 子ども1歳)
- 残業が少なく保育園の送迎が無理なく行えること(32歳 子ども4歳・2歳)
- 残業がなく、帰りが遅くならないこと(40歳 子ども10歳)
残業による「お迎え時間」や「子どもの留守番時間」への心配がある人は、派遣という働き方も検討してみてはいかがでしょうか。
求人に「残業なし」「残業少なめ」などと記載されていても、実際は繁忙期に残業が発生したり、残業せざる得ない雰囲気の職場もあります。
派遣社員の場合、派遣会社と「残業なし」「残業時間は月○時間まで」などの契約を結んでいれば、契約条件どおりに働けるため、イレギュラーな残業は発生しません。
たとえば「残業時間は月10時間以内」と契約していれば、それ以上の残業をする必要はなく、頻繁にお迎えに遅れることや延長保育を頼まなくてもすみます。
万が一、職場で残業を断りにくい状況になったとしても、派遣会社の担当者に相談して間に入ってもらうことも可能です。
もちろん事前に残業が難しいことを伝えておけば、残業なしで働ける仕事も紹介してもらえるので、派遣会社に登録して相談してみてください。
7位 土日祝日が休み
7位は375人中19人が回答した「土日祝日が休み」です。
「土日に子どもとの時間をつくりたい」という希望が多いとわかります。
「働いているので平日はゆっくり話したり遊んだりできない分、週末は一緒に過ごしたい」という気持ちの表れだと考えられます。
また日曜日は多くの保育園や学童保育が閉まっているので、預け先がないという事情もあるでしょう。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 土日に休める(35歳 子ども5歳)
- 土日休みで子どもとの時間をつくれる(45歳 子ども10歳・6歳・3歳)
土日祝日に休みたい人は、サービス業は避けたほうがいいでしょう。
飲食店や小売店、レジャー・アミューズメント関連の職場は、土日祝日が繁忙期のため休みを取るのが難しいからですね。
ただし、学生アルバイトで土日祝日を回している職場なら、子育てママは平日中心に働いて土日祝日は休める可能性もあるため狙い目です。
一方、暦どおりに休みを設定している官公庁や企業、銀行などは、土日祝日はカレンダーどおり休めるものの競争率の高さがデメリットに。
とくに正社員のオフィスワーク系職種は人気があるので、パートや派遣社員という働き方も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
求人をチェックする際に注意したいのが「会社カレンダーによる」という記載です。
暦とは違う会社独自のカレンダーを採用しているため、土日祝日が休みとは限らないので気をつけましょう。
■二宮悠実氏のアドバイス
これまでオフィスワークでキャリアを積んできた女性にとって、出産後に上記特徴へ当てはまる仕事に転職しようと思うと、どうしても単純作業であったり賃金の低い仕事に就かざるを得ない現実がありました。
しかし、リモートワークが一般的になってきた結果、オフィスワークで積んできたキャリアを生かせるようになってきています。
子育てと仕事はこれまでどうしても両立の難しいところがありましたが、そのハードルは今後さらに下がってくるでしょう。
子育てと両立できている仕事のアンケート調査まとめ
子育てしながら働いている女性にアンケートを実施したところ、子育てと両立しやすい仕事の特徴は「子どもの都合に合わせて臨機応変に勤務できること」だとわかりました。
そのため勤務時間や休日に融通がききやすい非正規雇用を選んでいる人が多数。
また勤務地を重要視している人も多く、「勤務日時」「場所」など、子育てママはさまざまな制約の中で仕事を選んでいることが伺えます。
ただ家から近くて勤務日時が希望通りでも、「子どもの発熱で休むと、嫌味を言われたり嫌な顔をされたりする」ような職場では、働きやすいとはいえません。
そのため制度や立地だけではなく「子育てに理解ある社風」「フォローしあえる人間関係」も、子育てママの働きやすさには重要なポイントとなります。
■二宮悠実氏の総括アドバイス
今回のアンケート結果では、リモートワークによる恩恵を受けられる項目が多く出ていました。
特に「子育てと両立しやすい仕事の特徴」では子ども中心の生活の中で子育てママがどれほど時間・場所の制約の中で仕事をしているのかを象徴するような結果でしたが、リモートワーク時代になりこれら子育て中であることによる負担や制約を考慮した職場が増えています。
直接的な理由はコロナ渦によるものではありますが、これが女性の社会進出を加速させることになるのではないでしょうか。
結婚・子育てを機にこれまではキャリアを断絶されてしまっていた女性たちが活躍できることは社会全体の利益になります。
私たち人事採用に携わる人間も、優秀な子育てママに選んでいただける職場作りを目指していきたいものですね。